概要
BBBM ラップタイマーは、M5StickS3 と赤外線センサーでコースのライン通過を検出し、ラップタイムを自動計測する装置です。本体のボタンは A(正面の大きいボタン)と B(側面のボタン)の2つだけで、すべての操作を行います。
できること
- シグナルランプ(6灯)によるスタート合図と、フライング判定
- 1〜99周のラップタイム計測(1/1000秒単位)
- 今回のベストラップ、歴代ベストラップ、周回数ごとの歴代ベストタイムの記録(電源を切っても残ります)
- ラップごとの音による合図(ベスト更新、ファイナルラップ、ゴールなど)
- ゴール後の全ラップ一覧と平均タイムの表示
本書は、対応するセンサーユニット(Unit Reflective IR など)と本体が組み立て済みで、プログラムが書き込まれている前提で書いています。
準備と起動
センサーの設置
設置のしかたはセンサーの種類(プログラム内の設定)で異なります。標準設定は「反射板方式」です。
| 方式 | 設置のしかた |
|---|---|
| 反射板方式(標準) | Unit Reflective IR をコースの片側に、再帰性反射板を反対側に置きます。マシンがその間を通ると検出されます。 |
| 透過方式 | 本体の赤外線LEDとユニットの受光部を向かい合わせに置きます。ユニット側の発光部はテープでふさぎます。 |
反射板方式・透過方式では、ユニットの可変抵抗(ツマミ)で感度を合わせます。何もないときにユニットの表示LEDが点灯し、手で遮ると消える状態が正しい調整です。
電源を入れる
- 本体の正面右側のレバーを左に1度押して、電源を入れます。「BBBM LAP TIMER」の画面のあと、自動的に「CALIBRATING」(基準値の読み取り)に入ります。電源をOFFにするときは同じレバーを2回連続で押します。
- キャリブレーション中は、センサーの前に何も置かないでください。数秒で終わり、起動音が鳴って READY 画面になります。
起動時にセンサーが遮られていると正しく検出できません。その場合は READY 画面で A (正面のモニター画面上部のボタン)を長押しして、キャリブレーションをやり直してください。
画面の見方
画面は縦向きで、上から「状態バー」「シグナルランプ」「メイン表示」「ボタン案内」の順に並びます。
全画面共通
| 場所 | 表示 | 意味 |
|---|---|---|
| 最上段左 | REFL / BEAM | 使用中のセンサーの種類 |
| 最上段右 | 電池アイコンと % | 電池残量。緑 = 50%超、黄 = 20〜50%、赤 = 20%以下、水色 = 充電中 |
| 上部の6つの丸 | シグナルランプ | 待機中は消灯。カウントダウンで赤が2灯ずつ点灯。走行中は水色で進捗(周回数に応じて増える)。ゴールで全灯緑、中断で全灯黄、フライングで赤点滅 |
| 最下段 | ボタン案内 | その画面で使えるボタン操作 |
READY 画面(待機中)
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| 大きな黄色の数字 | 設定中の周回数 |
| LAPS / LINE など | スタート方式(LINE / GO / FREE、後述) |
| REC LAP | 歴代ベストラップ(紫) |
| 横長のゲージ | センサーの現在値。遮られると黄色になります。白い線は基準値、赤い線は判定のしきい値 |
| v 数値 | センサーの生の値。右側の CLEAR / BLOCK は光が通っている / 遮られている状態(反射板・透過方式のみ) |
待機中にセンサーの前を横切ると、ランプが一瞬黄色に光り「ピッ」と鳴ります。走行前にこの反応で検出を確認できます。
走行中の画面
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| 見出し | GO!(スタート直後)→ CROSS LINE(最初のライン通過待ち)→ LAP 2/5 のような現在の周回 → FINAL LAP(最終周) |
| 大きな数字 | 現在の周の経過時間(1/100秒)。ライン通過直後は1.5秒間、確定したラップタイムを表示します |
| TOTAL | スタートからの合計時間 |
| LAST | 直前のラップタイム。色で評価が分かります(下表) |
| BEST | 今回の走行でのベストラップ(緑) |
| DIFF | 直前ラップと今回ベストの差。マイナス(緑)ならベスト更新 |
| REC | 歴代ベストラップ(紫) |
LAST の色と音
| 色 | 意味 | 音 |
|---|---|---|
| 紫 | 歴代ベスト更新 | 上昇音3音 |
| 緑 | 今回のベスト更新 | 上昇音2音 |
| 黄 | ベストに届かず | 短い1音 |
最終周に入るときは「ピッピッ」と2回の合図が追加で鳴ります。見出しが赤い STUCK になったときは、マシンがセンサーの前で止まっている状態です(詳しくは「困ったときは」)。
GOAL 画面(ゴール後)
| 表示 | 意味 |
|---|---|
| GOAL / ABORTED | 完走 / 途中で停止した |
| 大きな数字 | 合計タイム。紫なら、その周回数での歴代ベスト更新(NEW RECORD! と表示) |
| REC | その周回数での歴代ベスト合計タイム |
| L1, L2, … | 各周のラップタイム(5周ずつ表示)。紫 = 歴代ベスト、緑 = 今回のベスト |
| AVG | 平均ラップタイム |
基本操作
ボタンは「押す(短く押して離す)」と「長押し(約0.7秒以上)」を区別します。操作を受け付けると小さく「ピッ」と鳴ります。
ボタン一覧
| 画面 | A を押す | A 長押し | B を押す | B 長押し |
|---|---|---|---|---|
| READY | レース開始 | キャリブレーション | 周回数を切替(1→3→5→10→20) | 設定メニューへ |
| GET READY(カウントダウン) | 中止 | 中止 | 中止 | 中止 |
| 走行中 | — | レース中断(ABORTED) | 手動でラップ記録(テスト用) | — |
| GOAL | もう一度レース | READY へ戻る | ラップ一覧をスクロール | READY へ戻る |
| FALSE START | やり直し | READY へ戻る | READY へ戻る | READY へ戻る |
| SETTINGS | 値を増やす / 実行 | 値を減らす / 実行 | 次の項目へ | 保存して戻る |
レースの流れ(LINE モードの場合)
- READY 画面で、B を押して周回数を選びます。
- マシンをコースに置き、A を押します。
- GET READY と表示され、シグナルランプが1秒ごとに2灯ずつ赤く点灯します(3回で全灯)。
- 全灯のあと、0.3〜1.5秒のランダムな間をおいて一斉に消灯し、「ピーッ」と鳴ります。これがスタート合図です。
- マシンが最初にラインを通過した瞬間から計測が始まります(CROSS LINE 表示 → LAP 1)。
- ライン通過ごとにラップが記録され、音と色で結果が分かります。
- 設定した周回数を走り終えると GOAL 画面になり、合計タイムと各ラップが表示されます。
フライングについて
シグナルが消える前にマシンがラインを通過すると FALSE START(JUMP!)になります。低い「ブーブー」という音が鳴り、ランプが赤く点滅します。A を押すと最初からやり直せます。
スタート方式の違い
| 方式 | 計測の開始 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| LINE(標準) | シグナル消灯後、最初のライン通過から | スタート位置を自由に取りたいとき。反応の速さは計測に含まれません |
| GO | シグナルが消えた瞬間から | スタートの反応込みで競うとき。スタート直後の通過は無視されます |
| FREE | シグナルなし。最初のライン通過から | 練習・タイムアタック。フライング判定はありません |
方式は設定メニューの START で変えられます。
途中でやめる
走行中に A を長押しすると ABORTED として終了し、それまでのラップが表示されます。中断した走行は歴代記録には残りません(ラップ単体のベストは残ります)。
設定メニュー
READY 画面で B を長押しすると SETTINGS 画面になります。B を押すと項目が順に切り替わり、選択中の項目は青い帯で示されます。A を押すと値が増え、A を長押しすると減ります。変更は EXIT を選んで A を押す(または B 長押し)と保存され、電源を切っても残ります。
| 項目 | 内容 | 範囲・初期値 |
|---|---|---|
| LAPS | レースの周回数 | 1〜99(初期値 5) |
| SENS | センサー感度のしきい値。反射板・透過方式では KNOB と表示され、ユニットのツマミで調整します | ToF / IR のみ変更可 |
| MIN LAP | 最小ラップ時間。これより短い通過は同じ周の二重検出として無視します | 0.5〜60.0秒、0.5秒刻み(初期値 2.0秒) |
| START | スタート方式 | LINE / GO / FREE |
| VOLUME | 音量 | 0(無音)〜5 |
| CALIB | A を押すとキャリブレーションを実行します | — |
| CLR REC | A を長押しすると歴代記録(ベストラップ・周回数ごとの合計タイム)をすべて消去します | 取り消しできません |
| EXIT | A を押して保存し、READY に戻ります | — |
画面下の「now」には、センサーの現在値がリアルタイムで表示されます。センサーの前を遮って値の変化を見ながら、感度やツマミを合わせることができます。
MIN LAP は、マシンがラインをふらつきながら通過して2回反応してしまうときに長くします。コースが短く1周が2秒を切るようなら短くしてください。
困ったときは
| 症状 | 原因と対処 |
|---|---|
| ラインを通っても反応しない | READY 画面のゲージ右側が BLOCK のままになっていないか確認します。反射板方式ではユニットと反射板の向き、透過方式では本体LEDと受光部の向きを合わせ、ユニットのツマミを「何もないとき点灯・遮ると消灯」に調整します。そのあと A 長押しでキャリブレーションします。 |
| マシンが通っていないのに反応する | 周囲の光や振動で誤検出しています。ユニットの感度を下げる(ツマミ / SENS)か、直射日光や蛍光灯の近くを避けます。 |
| 1回の通過で2周分カウントされる | 設定メニューの MIN LAP を長くします。 |
| 見出しに STUCK と赤く出る | マシンがセンサーの前で0.5秒以上止まっています。通過は最初の1回だけカウントされ、マシンがどいて0.5秒経つまで次の通過を受け付けません。マシンをどかしてそのまま続行できます。 |
| GET READY 中に急に FALSE START になる | シグナル消灯前にセンサーが遮られました。マシンや手がライン上にかかっていないか確認します。フライング判定が不要なら START を FREE にします。 |
| 起動時の CALIBRATING で正しく設定されない | センサーの前に物がある状態で起動しました。何もない状態にして A 長押しでやり直します。 |
| 音が鳴らない | 設定メニューの VOLUME が 0 になっています。 |
| 画面が sensor init… で止まる | Grove 端子の接続を確認し、電源を入れ直します。 |
| 歴代記録を消したい | 設定メニューの CLR REC で A を長押しします。 |
計測中は本体のシリアル出力(USB接続時)に LAP や RESULT の行が流れます。パソコンでログを取りたいときに使えます。
ダウンロード
| ファイル | 内容 |
|---|---|
| bbbm_laptimer_20260925-04.py | ラップタイマーのプログラム(M5StickS3 / UIFlow2) |
| (外形データのファイル名) | ラップタイマーの外形データ |